そもそもニキビは、毛穴詰まりを起こした箇所に、皮脂をエサにするアクネ桿菌や雑菌が繁殖し、炎症を起こしている状態。進行状態によってはかゆみや痛みを感じ、見た目の色が変わり、膿が出るようになります。症状が悪化する間にも、どんどん皮脂が分泌されます。放置しているとアクネ桿菌や雑菌も増えていくため、早めに対処しなければいけません。
雑菌が繁殖したニキビは、はじめにかゆみを伴い、症状の進行とともに痛みを感じるようになります。痛いニキビはすでに末期の状態。ニキビがかゆいと感じた段階で、何らかの対策をしなければ、デコボコとしたニキビ跡が残る可能性があります。
ニキビに雑菌が繁殖する原因
雑菌やアクネ桿菌でかゆみが発生するしくみ
どうしてニキビにかゆみが発生するのか知るためには、まずニキビができる原因を把握しておきましょう。皮脂線から分泌された皮脂が、角質やゴミ、化粧品、洗顔剤などの洗い残しなどと混ざり、毛穴の入り口に詰まります。毛穴の中には分泌された皮脂が溜まり続け、毛穴の内部を傷つけていきます。
皮脂を栄養に繁殖するアクネ桿菌や雑菌は、皮脂を分解しながらリパーゼと呼ばれる物質を放出します。リパーゼは皮膚を刺激し、炎症を引き起す物質です。さらに、溜まった皮脂を酸化させ、脂肪酸の一種である遊離脂肪酸が発生。こちらも皮膚を刺激し、かゆみを発生させる原因です。
傷口から雑菌が侵入する
患部に手で触れたり、溜まった皮脂の圧力によって毛穴が傷ついたりすると、そこから皮膚の深い部分に雑菌が侵入していきます。雑菌とともに、酸化した皮脂や角質が紛れ込み、さらにかゆみや炎症を悪化させてしまいます。ニキビの炎症は皮膚組織が破壊され、ダメージを負っている状態。それが肌の奥で引き起されることにより、長期間にわたって残るニキビ跡になる恐れがあります。
乾燥して肌の抵抗力が下がる
肌が水分を失って乾燥した状態が続くと、抵抗力が下がり、雑菌やアクネ菌が繁殖しやすくなります。また、肌表面や毛穴の中では皮脂の占める割合が増加した状態に。エサとなる皮脂が豊富で、しかも空気に触れない毛穴の中は、雑菌やアクネ桿菌の繁殖には絶好の環境です。
また、皮脂の水分が失われると、硬く排出されにくい状態になります。そうなると毛穴の中に皮脂が留まる時間が増えるため、その分雑菌が繁殖、酸化しやすくなります。
雑菌が繁殖したニキビへの対処法
ニキビや肌に触れるものを清潔に保つ
かゆくて気になっても、できるだけニキビには触れないよう注意。爪や指には大量の雑菌が付着しています。とはいえ、かゆければ無意識に触ってしまうのが人間というもの。石鹸や消毒液などで、手を清潔に保ち、可能な限りニキビへの雑菌の付着を防ぎましょう。
また、枕やベッドシーツ、洋服、メガネ、ハンカチなど、普段肌に直接触れるものを清潔にしましょう。
保湿ケアを充分に行なう
アクネ桿菌や雑菌は、皮脂が多く、空気に触れない場所を好みます。充分な保湿ケアを行い、肌のバリア機能を回復し、皮脂の分泌量を抑えることで、新たなニキビの発生を防げます。また、保湿で皮膚の毛細血管や神経が刺激に敏感になるのを抑えるので、すでにあるかゆみを鎮める効果もあります。
激しい運動や洗顔したあとは、肌が非常に乾燥しやすい状態。すぐに化粧水やクリームで保湿ケアをするように意識しましょう。
季節にも要注意!
季節の変わり目は湿度や気温が変化しやすく、簡単に肌が乾燥してしまいます。夏は暑さによって水分が蒸発し、汗をかくので肌内部の水分も不足しがちになります。皮脂と水分が混ざると空気に触れなくなるため、雑菌が繁殖しやすい環境に。強い紫外線によって皮脂に含まれるスクワレンが急速に酸化し、かゆみを発生させる遊離脂肪酸の発生を促してしまいます。
また、冬は空気中の水分が少なく、乾燥しているため、外気に晒された皮膚は乾燥していきます。乾燥状態の肌はバリア機能が失われ、雑菌が繁殖しやすい状態に。乾燥によって皮脂が硬くなり、毛穴から皮脂が正常に排出されなくなります。
生活習慣を見直す
今あるかゆいニキビの改善と同時に、そもそもニキビが出来ない肌を作ることが重要です。雑菌やアクネ桿菌の増加には、皮脂の分泌量が大きく関わっています。そのため、皮脂の分泌を正常に整え、繁殖しにくい環境を作る必要があります。
食事は脂肪が多いものを避けると、皮脂の分泌量を減少に効果があります。そのほかにも、睡眠時間を充分に取る、定期的にストレスを発散させる、適度な運動を取るなど、規則的で健康な生活を心がけることで、皮脂の分泌を調整する自律神経のはたらきが正常化。基本的な生活習慣の改善は、健康な肌状態を保ち、ニキビの改善・予防に役立ちます。
専門家に相談する
どうしても治まらないかゆみなど、ニキビに関する悩みを解決するには、専門家に相談するのが最も効率的。こことみでは、かゆいニキビへの対処法だけでなく、ニキビ跡や痛いニキビのセルフケア方法など、さまざまなアドバイスをさせていただきます。