かゆみや赤みが出てくる脂漏性皮膚と似ている肌状態
脂漏性皮膚は、皮脂分泌が盛んな顔や頭皮に発生しやすい肌の赤みです。
脂漏性皮膚が進行すると皮膚が赤くなりかゆみが強くなってくるのですが、そのまま放置していると皮膚が乾いたようになって、その一部がボロボロとはがれ落ちてしまうことがあります。
見た目が特徴的なので比較的発見しやすい肌状態ですが、生後間もない乳児から大人まで、年齢に関わらず症状が出てしまいます。子どもの頃に湿疹ができた場合は自然治癒することが多いのですが、大人になってから脂漏性皮膚になると、一旦治っても再発することが多く、慢性的に悩む方が多くなっています。
脂漏性皮膚はマラセチア菌の増殖が原因と考えられています。この菌はカビの一種で、もともと肌に存在しているため、本来は皮膚に害を与えることはない常在菌です。 しかし皮脂の量が多くなり、それが酸化することで皮膚に悪い影響を与えます。 無理に殺菌することは、常在菌のバランスが低下して、肌状態が悪くなることもあります。
毛細血管がたくさん見える
脂漏性皮膚炎と似たような症状が出るものに、酒さとアトピー性皮膚炎があります。 酒さは、毛細血管が拡張するため皮膚が赤くなってしまうといわれています。 鼻や頬のあたりに症状が強く出ることが多いのですが、おでこや頭皮、耳などに広がることもあります。
赤みが増してきて粒のような小さな湿疹がポツポツとできることがあります。 男性に多く見られ、皮脂腺が増えて毛穴が開いてしまうことが原因になっています。
肌の赤みや湿疹ができるところは脂漏性皮膚とよく似ていますが、この場合は皮膚に潜んでいる常在菌が原因ではありません。根本的な原因は未だに解明されていません。 遺伝的な要素や食生活、生活リズムや環境などが関係しているという説があります。
肌の赤みと痒み、ゴワゴワした肌
アトピー性皮膚炎も、脂漏性皮膚と同じような状態になりますが、アトピー性皮膚炎の場合、バリア機能が弱まって治癒力が低下していることが考えられます。 大人だけではなく乳幼児が発症するところや、再発する可能性があるところも脂漏性皮膚炎とよく似ています。
脂漏性は皮脂の分泌量が増えると赤みが起きてきますが、アトピーの場合は、皮脂量は少なくも赤みが起きてしまいます。ひどくなると皮膚がただれたようになるため、バリア機能を高める対策が必要になります。
脂漏性皮膚と酒さ、アトピーは、赤みやかゆみという共通点がありますが、原因や症状などで異なる点も多いので、赤みやかゆみが気になる時は、個人の判断で対策をするのは控えたほうがいいかもしれません。
脂漏性皮膚になる前に気を付けておきたいコト
脂漏性皮膚は、顔以外に身体も症状がでやすいです。 特にできやすいのは、頭皮やおでこ、耳の後ろや小鼻のまわり、わきの下や胸、背中などです。これらは全て皮脂分泌が盛んな部分で、特に背中などは洗いにくいため、皮脂汚れが残りやすくなっています。そのため、皮脂やかゆみが気になるような場合は、赤みがひどくなる前に清潔にしておきましょう。
●食生活
脂漏性皮膚は、皮脂分泌が多くなることで起こります。皮脂が過剰になってしまうのは、食生活が深く関係しているため、脂肪分の高い食事が好きな場合は要注意です。
背脂たっぷりのラーメンや天ぷら、霜降りステーキなどはとてもおいしいのですが、カロリーが高いため皮脂が多くなってしまうことがあります。刺激物や添加物をたくさん使っている食品なども、皮脂の分泌を活発にする働きがあるので、肌がべたつくような場合は、なるべく控えるようにしましょう。
●生活習慣
生活リズムを整えることも、肌や頭皮の状態を整えるための大事な条件です。夜更かししたりお酒を飲み過ぎたりして睡眠時間が足りなくなると、十分に寝ている時と比べて顔のテカリが目立ってしまうことがありますが、これは自律神経の働きが関係しています。寝不足になると、自律神経のうち交感神経の働きを高めて、活動するのに適切な状態に体を整えていきます。
交感神経は心拍数を上げて心と体の緊張感を高める役割があり、それと同時に汗や皮脂の分泌が盛んになります。寝不足の時に副交感神経の働きが強くなってしまうと、心身がリラックスして居眠りしてしまう可能性があります。
ですから、眠気を我慢して活動しようとしていると、どうしても交感神経の働きが強くなってしまうので、皮脂が多くなってしまいます。
●ストレス
ストレスや疲労も、皮脂を多くしてしまう原因になり、神経が高ぶっていたり不安感が強くなっていたりすると、自律神経に影響を与えてホルモンバランスが乱れることがあります。皮脂を増やす働きがあるのは男性ホルモンなので、女性ホルモンの減少や男性ホルモンが過剰になることで、脂っぽい肌になってしまいます。
極度の緊張にさらされていて、危機を避けようとする本能や攻撃性が強くなると、男性ホルモンの分泌が増えるという説があります。男性ホルモンが増えるとやる気が出て活動的になり、体がたくましくなるなどの良い面もありますが、体毛が濃くなって頭頂部の毛が薄くなったり、皮脂が多くなったりすることも働きの一部として知られています。
皮脂が多いのは体質や遺伝的な問題もありますが、食生活や生活リズム、環境なども関係しています。ですから、脂漏性皮膚炎の対策をするなら、正しい方法で丁寧にするといった直接的な行動と一緒に、食べ物や生活リズムも変えてみましょう。
脂漏性皮膚の問題解決に役立つ食べ物と生活
脂漏性皮膚の対策では、皮脂の分泌を抑えることが肝心です。皮脂を調整する成分に、ビタミンB群があります。ニキビのための医薬品やサプリメントにも配合されているビタミンB群ですが、特に皮脂分泌の調整に役立てられるのは、ビタミンB2とビタミンB6です。
ビタミンB2はレバーや納豆、うなぎや焼き海苔などに含まれていて、ビタミンB6はにんにくやまぐろなどに含まれています。そしてビタミンCには過剰な皮脂を抑える働きがあり、レモンやブロッコリーなどに含まれています。
ジャンクフードは手軽に食べられるので、時間がない時にとても便利ですが、カロリーが高い物が多いので、なるべく控えるようにしましょう。
丼物は野菜が少なく、炭水化物の量が多くなってしまうので、ご飯の量を調整したり、野菜料理を加えたりして、栄養バランスが偏らないようにします。野菜が少ないと食事から摂取できるビタミンやミネラルが少なくなるので、単品よりも主菜と副菜の揃った食事をすることが理想的です。
●寝不足や寝るリズムが崩れると赤みが増す
生活面では睡眠を十分に取ることが一番ですが、睡眠時間については個人差があるので、質の良い睡眠を心掛けるようにします。質の良い睡眠とは、浅い眠りと深い眠りのリズムが整っていることです。眠りが浅いと体の疲れが取れないばかりでなく、昼間眠くなってしまうので、それを打ち消そうと活発に活動することで交感神経が優位になってしまいます。
睡眠リズムを整えるために簡単にできるのは、目覚めた時に朝日を浴びることです。日光には少しずつずれていく体内時計をリセットする効果があるので、入眠しやすくなります。日光ならいつでも良いというわけではなく、夕方の光は体内時計を遅らせる効果があると言われているので、睡眠リズムを整えるなら朝日を浴びるようにしましょう。
寝る前のひと時は自由に過ごせる時間なので、タブレットやスマートフォンを眺めながら眠りにつく方も多いかもしれませんが、画面から発せられるブルーライトには日光と同じような働きがあるので、眠る前に見ると却って目が冴えてしまい、眠れなくなってしまうことがあります。睡眠不足が一因となって皮脂が増えることを考えると、寝る直前には画面を見ないことをおすすめします。
●清潔にし過ぎず、清潔に。
脂漏性皮膚は、身の回りを清潔にしておくことも大切です。 頭皮も赤みが起きている場合は、ボロボロをフケも落ちます、パジャマやシーツ、布団カバーや枕カバーはこまめに取り換えて清潔にしておき、入浴する時も洗い残しやすすぎ残しがないようにしましょう。
●日中の紫外線対策
紫外線によって活性酸素が増えてしまうと、常在菌が生み出した脂肪酸が酸化してしまい、赤みが酷くなります。帽子をかぶったり日焼け止めを塗ったりするといった対策も効果的ですが、脂漏性皮膚を引き起こしている場合は湿気が多いところには気を付けて、汗対策もしておきましょう。食生活から活性酸素を抑えるなら、抗酸化作用のあるβ-カロテンやビタミンC、ビタミンEやポリフェノールを含んでいる食品がおすすめです。
赤みや痒みといっても、症状によって赤みの具合や痒みの状態、要因はバラバラです。 赤みは、目立つから気になるところですし、また痒みは、寝ている時に起きれば、寝不足になるし、日中に起きれば物事に集中できないと思います。 早く解決したい気持ちは募るところですが、どんな状態で赤みや痒みが起きているのかを確認して、対策を行うことが早期解決になるのではないでしょうか? 自己判断をせず、相談をしてみましょう。
脂漏性皮膚はかゆみを伴う?かゆくなければ脂漏性皮膚ではないの?
脂漏性皮膚と言われるとその症状の一つにかゆみと記載されていることも多く、それがあるかどうかで脂漏性皮膚かどうかを判断する方も多いようです。
しかし、同じ脂漏性皮膚であったとしても、かゆみを伴う人、伴わない人がいるということはぜひ知っておいてください。
肌の赤みの特徴として、個人差がでることがあるということが挙げられます。
例えば、かゆみはそのひとつです。脂漏性皮膚になれば必ずかゆみが出るということではありませんが、人によっては、かゆみがでることもあります。なので、このかゆみがでるから、もしくは、でないからということだけであなたが脂漏性皮膚かどうかを判断するのは控えたほうがいいかもしれません。
症状に個人差があるということは、その対策方法にも個人個人で違いがあるということです。こことみにご相談をいただければ、あなたにぴったりの対策方法をご提案できますので、まずは一度お問い合わせをしてみてください。