保険適用だから安いし、皮膚科で出される保湿剤ということで、化粧品代わりに安易に使っている方もいますが、実際に、ヒルドイドの役割とまたニキビに対する効果について考えてみましょう。
皮膚科で処方されるヒルドイドとは
保湿作用のほか、血行をよくする作用があります。 かさつき、しもやけ、皮脂欠乏症などに使用されます。 血液が固まるのを防ぐ作用から、打ち身や捻挫などの治療にも用いられています。
クリーム、ローション、軟膏などがあります。
ヒルドイドはアンチエイジングや化粧品代わりになるの?
ヒルドイドを化粧水や美容クリーム代わりに使っているという人もいるようです。表面の角質から水分が逃げるのを抑える作用があるため、保湿の意味で、化粧品代わりとして使用しているのでしょう。
化粧水や美容液の代わりとなっているでしょうか?
●ヒルドイド 水分を逃げないようにする
●化粧水 肌に水分を与える
●クリーム 化粧水の水分の蒸発を防ぎ、潤いを補う
保湿に関する商品ではありますが、目的は全く違いますよね。
ヒルドイドをニキビに塗れば治る?
最近は、ニキビにもヒルドイドが良いなどをうたわれております。 保湿効果の他に、抗炎症作用が働くことでニキビが治るなどと言われております。
ニキビのできるメカニズムは毛穴の塞がり、皮脂過剰、アクネ菌などの増殖の条件が重なることで、発症します。
ヒルドイドは抗炎症作用なので、赤みの拡大を防ぐことはできますが、すでに赤くなっている赤みを消すわけではありません。 また、仮に赤みを抑えることはできても、ニキビそのものがなくなるわけではありません。
毛穴が塞がる要因の1つに、肌の乾燥があるため、ヒルドイドを使用する人がいますが、これ以上乾燥しなくても、ヒルドイドを塗ることで潤いの肌になるわけではありません。 毛穴は塞がったままの状態です。
つまり、「ニキビを治す薬ではない」ということですね。
また、保湿と抗炎症作用以外の作用があることを忘れていません。
保湿剤という「薬」です。
ヒルドイドの薬の分類は、「血液凝固阻止剤」です。
肌トラブルの対策目線から、保湿効果ばかりが知られておりますが、それ以外に血流の流れをスムーズにし、血液が固まるのを防ぐ作用があります。
すでに赤みが起きて進行しているニキビは、その周囲の血管が拡張している可能性があり、そこにヒルドイドを塗るということは、血管が余計に拡張してしまいます。
そのため、赤みが悪化することがあります。
またニキビ以外に、毛細血管が見えてしまっている肌や肌が薄くなっている部分などに使用すると、血管が拡張すると同時に神経を刺激して、赤みと痒みを引き起こすことがあります。
とても身近なお薬で副作用も少ないと言われておりますが、やはり薬である以上は副作用があることも気をつける必要があります。
ヒルドイドの使用を考える以前に、大事なこと
それは、ニキビができる原因や要因を明確にすることです。 ヒルドイドを使ったところで、不十分な洗顔など間違ったスキンケア方法や、皮脂の分泌を過剰にさせる食生活をしていては、ニキビがいつまでも再発を繰り返してしまいます。
ニキビの再発、赤みを消していくには根本から対策を行う必要があります。